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2022年11月10日

受賞 上田卓見准教授が日本核磁気共鳴学会の進歩賞を受賞しました。

上田卓見准教授が若手NMR研究者としての優れた研究成果を評価され進歩賞を受賞しました。

2022年10月24日

お知らせ 2002年ノーベル化学賞受賞者のProf. Kurt Wüthrich先生をお招きし、講演会を開催しました。

2022年7月1日

論文 Structureの論文がカバーに採択されました。

2022年5月3日

論文 GTPセンサータンパク質がどのように生まれたのかを明らかにする論文が公開されました。

Structure, 2022, 30(6), P886-899.E4

ヒトGTPセンサータンパク質誕生のトリック解明

  • GEAモチーフがGTPセンサーキナーゼPI5P4KβのGTP感知を可能に。
  • GEAモチーフは他のマイナーなエネルギー分子にも結合。
  • PI5P4Kβがレジリエンスを担うGTPセンサーに進化した道筋を提案。
  • 生命が新たな細胞機能を効率的に獲得するアプローチの一つを解明。

東京大学、シンシナティ大学、高エネルギー加速器研究機構、慶応大学、立教大学、星薬科大学、東海大学、関西医科大学の共同研究チームは、生化学、物理化学、構造生物学的手法を駆使することで、細胞内でGTPの濃度を検知し、エネルギー代謝や細胞の増殖を制御するGTPセンサーキナーゼ PI5P4Kβが、GTP感知機能を進化的に獲得した道筋を明らかにしました。
生物は日々刻々と変化する外的環境や体内状況に応じて、細胞内の代謝物の量や酵素の活性などをダイナミックに変化させることで、生きています。細胞が機能し続けるためには、細胞内での反応を駆動するエネルギー分子の量を常にモニターし、その量に応じて、エネルギー分子を消費する反応の制御を行う必要があります。
我々は、細胞内ではATPに次ぎ2番目に多く存在するエネルギー分子であり、タンパク質合成やシグナル伝達などATPとは異なる特有の機能を担うGTPに着目し、GTPの細胞内濃度がどのようにモニターされ、その量に応じて細胞内におけるエネルギー代謝がどのように制御されるのかを研究してきました。そのような研究の中で、2016年にはphosphatidylinositol 5-phosphate 4-kinase β (PI5P4Kβ) が、他の多くのキナーゼとは異なり、GTP を生理的なリン酸供与体として利用し、ストレス下での細胞増殖を、GTPの量に応じて制御するGTPストレスレジリエンスを担うキナーゼであることを見出していました(Sumita, Lo, Takeuchi et al, 2016 Mol. Cell, 61, 187-198)。PI5P4Kβの出現は、脊椎動物の出現とほぼ時を同じくしています。そのため、GTP濃度に応答する新たなエネルギー代謝システムが、脊椎動物以上の高等生物において新たに獲得されたと考えられます。しかし、PI5P4KβのGTPセンサー機能が分子論的あるいは進化的にどのように獲得されたかは不明なままでした。
今回発表した論文において私たちは、PI5P4KβがGEA (Guanine Efficient-Association) モチーフと名付けた短い配列を獲得したことで、GTPセンサー機能を実現したことを明らかにしました。660種類のキナーゼと128種類のGタンパク質と立体構造を比較することで、GEA モチーフのATP結合様式は他のキナーゼと同様である一方、GTPの認識にはその側鎖および水分子が重要な役割を果たすことを明らかにしました(図上)。さらに、脊椎動物のGEAモチーフ(図中右)を祖先配列(図中左)へと逆行させる逆行的変異解析をおこなうことで、GTPセンサー機能の獲得には、ITPやXTPなど他のマイナーなエネルギー分子に対する活性の拡張を伴っていることが明らかになりました(図下右)。GEAモチーフに対する強い負の選択性を示す進化的なデータと考え併せると、PI5P4KβのGTPセンサー活性は、活性と特異性の究極の選択のなか、キナーゼとして本来持っていたATP特異性とのトレードオフとして獲得されたことを示唆しています。また、中間的な変異において(図中央)においては、もともと有していたATP依存的活性自体は維持されていました。このことは、生物がランダムな試行により新たな細胞機能を獲得する際に、元々備えている機能を失うことによるマイナスの影響を回避しながら、効率的に探索を行う方法の一つを示すものであると考えることができます。
 この研究成果は、2022年5月2日アメリカ東部時間11時にStructure誌にオンライン発表されました。プリント版は2022年7月7日に発行予定です。

図:GEAモチーフによるATPおよびGTPの認識とその進化的獲得
(Takeuchi, Ikeda, Senda et al., Structure, 2022より一部改変の上転載)

2022年5月2日

お知らせ 基礎から学ぶ最新NMR解析法 第4回ワークショップ―創薬研究および産業研究におけるNMR-を開催します。

日程: 2022年5月19日(木) ~20日(金)
開催方法: Zoomによるオンラインセミナー
参加費:無料
事前登録・詳細情報:https://nextnmr.jp

創薬研究においては、薬剤分子や、そのターゲットとする生体分子の立体構造、相互作用、ダイナミクスについて総合的に評価し、設計指針を得ることが必要とされます。このような場面において、溶液中での分子について多面的な情報を与える核磁気共鳴 (NMR) 法は有効な創薬研究ツールとして活用されています。また、創薬のみならず、食品や化成品の研究等、様々な物性が混在する状況においても、NMR法は様々な分解能で、有益な情報を与えてくれます。本ワークショップでは、創薬および産業研究におけるNMRおよび構造解析技術を題材とした講演会を開催します。アカデミックと企業の現役研究者の方にご講演いただき、創薬・産業研究とアカデミック研究の交流を目指します。

プログラム: 
5/19
司会:齋尾 智英

時間講演内容講演者
13:00~13:50前回セミナーの振り返り・今回の趣旨説明・基礎講座竹内 恒
13:50~14:35講演1-1 食品の研究開発とNMR山口 秀幸 先生 [味の素株式会社 バイオ・ファイン研究所]
休憩
14:45~15:30講演1-2 細胞表面受容体の分子認識と創薬に向けた取り組み前仲 勝実 先生 [北海道大学薬学研究院]
15:30~16:15講演1-3 創薬現場で17年間のNMR活動を通じて思うこと(仮)鳥澤 拓也 先生 [中外製薬株式会社]
19:00~オンライン懇親会

5/20
司会:齋尾 智英

時間講演内容講演者
9:30~10:15講演2-1 創薬をめざしたNMR法によるRNAと低分子化合物の相互作用解析河合 剛太 先生 [千葉工業先進工学研究科]
10:15~11:15特別講演2-2Prof. Haribabu Arthanari [Harvard Medical School]
11:15~11:30講評宮ノ入洋平
  • 主催:大阪大学 蛋白質研究所
  • 協賛:日本生物物理学会 次世代NMRワーキンググループ
  • 世話人:齋尾智英、竹内恒、宮ノ入洋平、八木宏昌
2022年3月28日

お知らせ 生命物理化学教室の新ホームページが公開されました。

2022年3月1日

お知らせ 横溝智貴さんの博士発表が2022/01/13に、青木彩さん、 道内克宗さんの修士発表が2022/03/01に行われました。皆さん立派な発表でした。

2021年10月1日

お知らせ 生命物理化学教室が新たな体制で始動しました。